◆子宮頸がんワクチン

子宮頸がんは、初期の自覚症状に乏しく自分では気付きにくい病気です。20歳代にも多く、30歳代までの子宮頸癌の治療で 子宮を失ってしまう方が1年間に約1,000人います。(日本では、40歳までの女性のがんによる死亡の第2位は、子宮頸がんによるものです。)  子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐ予防接種です。HPVワクチンは、その種類や接種時の年齢により、2回もしくは3回の接種が必要です。

ワクチン名 シルガード9 ガーダシル サーバリックス
力価 9価 4価 2価
効果 高リスクHPVの90%と尖圭コンジローマ 高リスクHPVの70%と尖圭コンジローマ 高リスクHPVの70%
年齢 9-14歳 15歳以上 9歳以上 10歳以上
接種回数 2回 3回 3回 3回
接種間隔 初回・6か月後 初回・2・6か月後 初回・2・6か月後 初回・1・6か月後
自費の価格/回 28,600円 16,000円 16,000円

副反応

2-3日、注射部位の痛みや腫れがあります。接種時の痛さはほかのワクチンと大きく変わりません。筋肉痛がおこることがあります。

子宮がん検診とワクチン

ワクチン接種だけですべての子宮頸がんが防げるわけではありません。性交渉の経験がある人は、必ず子宮がん検診を受けることが大切です。検診受診率は、欧米では約80%ですが、日本ではなんと約40%とたいへん低いのが問題です。

HPV感染症による子宮頸がん予防で最も重要なことは、
・定期接種の年代の人は必ずワクチンを受ける
・性交渉経験のある人は、20歳を過ぎたらワクチン接種の有無にかかわらず子宮がん検診をしっかりと受ける
ことです。

男性へのHPVワクチン

男性のワクチン接種は、男性本人のHPV感染による病気(膀胱癌、肛門癌、咽頭癌など)を予防し、将来のパートナーの健康も守ることができます。男子へのHPVワクチン接種は多くの国で推奨され、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど20か国以上の国で公費接種が行われています。

ミンハピ https://minpapi.jp

https://www.know-vpd.jp/children/va_c_cancer.htm

◆帯状疱疹予防ワクチン「シングリックス」について

帯状疱疹とは

帯状疱疹は、身体の方々の一部にピリピリとした痛みが現れ、その部分に水ぶくれを伴う赤い発疹が出現する病気です。水ぼうそうに罹ると治った後もそのウイルスが体の中に潜んでいて、免疫力が落ちた時に発症します。日本人成人の90%以上が帯状疱疹になる可能性があり、80歳までに3人に1人が発症すると言われています。特に50歳代から発症しやすくなります。

 帯状疱疹が頭部、顔面に出ると、目や耳の神経が障害され、めまい、耳鳴りなどの合併症、重症化すると視力低下や顔面神経痛など重い後遺症が残ることがあります。また帯状疱疹が治った後も長期に痛みが残ることがあり、帯状疱疹後神経痛(PHN)と言われています。50歳以上で帯状疱疹になった場合、約2割がこのPHNになると言われています。  帯状疱疹を予防するワクチンがあります。水ぼうそうにかかったことのある方はぜひ受けておきましょう。

どんな人におすすめ?

・帯状疱疹予防として、50歳以上で水ぼうそうや帯状疱疹にかかったことがある方
・疾病または治療により免疫不全である人、免疫機能が低下した人または免疫機能が低下する可能性がある18歳以上の方
・上記以外で、医師が本剤の接種を必要と認めた18歳以上の方

スケジュールのポイント

 1回目と2回目の間隔:2か月

接種間隔が2か月を超えた場合、6か月後までに2回目を接種します。

副反応は?

 倦怠感、頭痛、発熱などがあります。だいたい3日ほどで消えます。

いつまで効きますか?

 少なくともワクチン接種後10年間は予防効果が持続することが確認されています。

(発売間もないワクチンのため、10年以上の効果については調査中です。)

◆肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌とは

 肺炎球菌による肺炎は、高齢者に多く(患者のおよそ7割を65歳以上が占める)また死亡率も2割弱と高いのが特徴です。インフルエンザで起こる肺炎の6~7割も、肺炎球菌によるものだと言われています。

23価・13価とは

80種類以上あると言われる肺炎球菌のうち、それぞれ23種類、13種類の型について免疫ができることができます。すべての肺炎球菌のうち、ニューモバックスは23種類で約2/3に対応し、プレベナーは13種類で約1/2 に対応しています。

ワクチンの価格表

ワクチンが防ぐ病気 ワクチン名称 力価 年齢 接種回数 1回の価格(税込)
子宮頸癌 シルガード9 9価 15歳以上 3回 28,600円
9-14歳 2回
ガーダシル 4価 9歳以上 3回 16,000円
サーバリックス 2価 10歳以上 3回 16,000円
帯状疱疹 シングリックス   50歳以上 2回 20,900円
麻疹風疹 MRワクチン       8,000円
ムンプス おたふくかぜ
ワクチン
      5,000円
水痘 水痘ワクチン       7,000円
B型肝炎 ビームゲン     3回 4,500円
インフルエンザ インフルエンザ
ワクチン
  13歳以上   3,800円
肺炎球菌 ニューモバックス 23価   5年ごと 8,800円
  13価   11,000円

ブライダルチェック

ブライダルチェックは、結婚前の準備の一つとして婦人科での総合的な検診という意味合いと、妊娠するにあたって、赤ちゃんに感染する感染症にかかっていないか、不妊症の原因となる性病に感染していないかを調べる検診です。

このような方におすすめです

●結婚/妊娠前の準備として

●パートナーと新しくお付き合いをはじめた方 ・婦人科検診全般の検査を受けたい方、特に性感染症も気になる方

1)カウンセリング(問診)

生理周期や生理痛の有無、病歴、薬のアレルギーなどをおうかがいします。

2)子宮頸がん検査

子宮頸がんは子供を産み育てる年代に多く見られます。子宮の入り口から細胞を採取して、顕微鏡で診断します。

妊娠時に見つかった子宮頸がんはごく初期であれば、多くの場合慎重に経過観察されますが、少しでも進んでいそうな状態が疑われると妊娠中の手術が考慮されます。また、妊娠中の精密検査は赤ちゃんがお腹にいるため、検査が難しくなります。

妊娠前に子宮頸がんの検査をきちんとしておくことで、安心して妊娠にのぞめます。

3)超音波による子宮と卵巣のチェック
小さな子宮筋腫卵巣腫瘍は下腹部痛や生理痛などの自覚症状をほとんどありません。超音波の検査では、子宮筋腫や卵巣腫瘍の有無などを確認します。

子宮筋腫は妊娠中に増大することがあり、筋腫の大きさが5cm以上の場合、流産や早産のリスクが増え、妊娠中の腹痛や炎症などのトラブルが多くなる傾向にあります。

卵巣腫瘍には良性と悪性があります。良性の卵巣のう腫と考えられる場合は大きさが5cm以下であれば経過観察され、それ以上であれば手術が考慮されます。 悪性が疑われる場合は手術療法が原則です。

4)おりもの検査(一般細菌、カンジダ)

おりものに菌が増えていると陰部のかゆみや不正出血の原因にもなります。

5)性感染症検査

おりもの検査

・クラミジア ・淋菌 ・トリコモナス

血液検査

・梅毒 ・HIV ・B型肝炎 ・C型肝炎

咽頭検査(うがい液)

・クラミジア ・淋菌

  

クラミジア淋菌は卵管炎や骨盤腹膜炎を起こすと不妊症の原因となり、妊娠中の感染では流産や早産の原因となる場合があります。

トリコモナスはあわ状のおりもの増加や腟や外陰部の刺激感を認めることがあり、パートナーに感染すると尿道炎の原因となることもあります。

母子感染には胎内感染、産道感染、母乳感染の3つの感染経路があります。母体が感染しても、感染した時の妊娠週数にもよるため、必ずしも母子感染する訳ではありませんが、主な母子感染経路は下記のように考えられています。

・梅毒:胎内感染

HIV産道感染、母乳感染

B型肝炎:産道感染

C型肝炎:産道感染 妊娠中の梅毒感染は特に危険です。妊婦さんが梅毒の場合、胎盤を通じて胎児にも感染し、死産・早産の原因となります。また胎児の神経や骨などに異常をきたすことがあります。

6)貧血検査(血液検査)

妊娠中は鉄の需要が高まると同時に、分娩時の出血に備えて体液量を増大させるため、血液が薄まります。あらかじめ貧血の有無を知り、原因の検索をすることが大切です。

7)風疹抗体検査(血液検査)

風疹は胎内感染の経路で母子感染すると考えられています。

先天性風疹症候群の症状として、白内障や緑内障などの眼の症状、心疾患、難聴が起こります。

風疹抗体価(HI法)が16倍以下の方は妊娠前に風疹ワクチン接種が推奨されています。風疹の抗体価が32倍以上の方は新に風疹に感染する可能性はほぼありませんので安心です。 風疹ワクチンは生ワクチンのため、接種後約2ヶ月間は避妊することが必要です。

値段表

ブライダルチェック 25,000円

ブライダルチェック

(子宮頸がん検診を済ませた方)
22,000円

ブライダルチェック

(子宮頸がん検診と超音波検査を済ませた方)
20,000円

◆オプション追加検査

◆HPV検査
子宮頸癌や尖圭コンジローマの原因ウイルスです。感染していない場合には、予防接種が効果があります。

◆月経関連ホルモンチェック
不妊症の原因となる多のう胞性卵巣等のスクリーニングをおこないます。

◆甲状腺ホルモン異常について
甲状腺疾患は治療の必要な内科疾患ですが、不妊症や月経不順の原因になります。早期発見・治療のために検査をおすすめします。

◆麻疹について
妊婦さんの麻疹抗体陰性の割合は約10%と言われており、もし妊娠中に初感染してしまうと、妊婦さん自身が肺炎など重篤な合併症をきたし、重症化して死亡に至るケースもあります。

 また、妊娠初期に感染すると30~40%に流早産が起こります。子宮内での胎児死亡も起こります。

 妊娠前に麻疹抗体が陰性あるいは感染防止にならないほど低い(IgGが16未満)ことがわかっている場合には、ワクチンを打って妊娠中に罹患しないように備えることができます。

HPV検査 5,000円

月経関連ホルモンチェック

(LH/FSH/E2/テストステロン/プロラクチン)
6,200円

甲状腺ホルモンチェック

2,200円
麻疹抗体(EIA-IgG)検査 2,060円

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