子宮内膜症

子宮内膜症の症状

月経痛が強くなります。炎症や癒着によって月経時以外にも下腹部痛や腰痛、排便痛、性交痛などがあらわれます。また、卵巣チョコレート嚢胞による排卵障害や、卵管の癒着などが不妊の原因になることもあります。 　子宮内膜症は良性の病気ですが、月経を重ねるごとに進行し、症状も強くなるため、早めに治療を開始することが大切です。
　閉経を迎えると女性ホルモンが減るため、症状は軽減しますが、閉経後にチョコレートのう腫が残っている場合の卵巣がん発症率は50%といわれ、早めの治療をお勧めしています。

子宮内膜症の治療法

お薬による治療と手術による治療があります。年齢、症状、妊娠・出産を希望するかどうかなどを考慮して治療法が検討されます。

薬物療法	LEP療法（ピル）	排卵を休ませ、子宮内膜を厚くさせないことで、月経量を減少、月経痛を軽減させます。
	黄体ホルモン製剤(ジェノゲスト)	子宮内膜や子宮内膜症細胞を増殖させず、子宮以外の場所でも出血を抑え、内膜症の炎症や症状を軽減させます。
	GnRHアゴニスト・アンタゴニスト製剤	卵巣の機能を一時的に止めることで、月経を止め、症状を軽減します。ただ最長でも１年のうち半分の期間しか使えないお薬です。

定期検診の重要性

子宮内膜症は妊娠や授乳による無月経が続くと自然に治ることもありますが、進行する病気です。手術後も無治療の場合は34%が再発します。 　とくにチョコレートのう腫は、閉経までのあいだ再発の可能性が常にあり油断できません。定期的な通院をお願いします。