おりものの異常
おりものって何?
おりものは膣や子宮の出口で作られる分泌物です。おりものは保湿と雑菌の侵入繁殖を防ぐ役割をしています。膣内ではいわゆる善玉菌(デーデルライン桿菌)が大腸菌やカンジダ真菌などの雑菌が増えないように取り締まりをしていますが、善玉菌が減ると膣内の抵抗力が落ち、感染などのトラブルを起こしやすくなります。
病気が疑われる症状
◆おりものの量が多い
排卵期前後におりものの量が通常3-5日程度増えます。 それ以上おりものの量が多い状態が続く場合には、膣内や子宮頸部の炎症が疑われます。癌の検査や、性感染症の検査が必要になることもあります。おかしいなと思う状態が続く場合にはご来院ください。
◆おりものの色や状態がおかしい
子宮頸癌・子宮頚管ポリープ・クラミジアなどによる子宮頸管炎など | ||
細菌性膣炎・タンポンやコンドーム などの膣内遺残・子宮留膿腫 | ||
発熱・腹痛を 伴うこともある | クラミジア/淋病などによる子宮内膜炎・卵管炎 | |
カンジダ膣炎など |
陰部の異常症状
◆陰部のかゆみ
一番多いのは、カンジダ真菌(赤ちゃんのオムツかぶれの原因菌)による膣炎や外陰炎です。カンジダ真菌は人間の皮膚のどこにでもいる常在菌ですが、菌の量が一度増えると治療に難渋するため、早めの受診をおすすめします。
性器ヘルペスは神経へのウイルス感染で起こります。ピリピリした痛みとかゆみもあります。皮膚よりも奥で炎症が起きているので、皮疹が出ていない場合には診断が難しいことがあります。 他のかゆみを症状とする病気には、性感染症の膣トリコモナス症や、毛ジラミ、稀ですが外陰部白斑(外陰癌の検査が必要)もあります。
◆陰部のできもの
尖圭コンジローマというヒトパピローマウイルス(HPV)感染症としてのいぼ、毛嚢炎(にきび)、バルトリン腺のう胞などが主な原因です。 まれに梅毒の初期症状の時もあります。梅毒の丘疹は2-3週間で消えてしまうので、早期発見と治療のために早めの受診をおすすめします。
性感染症とは
「性感染症」とは、性行為による粘膜の接触が原因となり感染する疾患の総称です。一般には「性病」と呼ばれ、5~19歳の21人に1人、20~24歳の16人に1人の女性が感染しています。クラミジア感染症・淋病感染症・梅毒・HIV感染症などがよく知られています。その他、性器ヘルペス・尖圭コンジローマ・膣トリコモナス症などがあります。このうちクラミジア感染症が最も多く、性感染症の半数以上を占めます。性感染症は1度の性行為でも感染することがあります。コンドームの使用が感染予防に対して非常に重要ですが、感染してしまった場合はパートナーとのピンポン感染を防ぐため、パートナーも同時に検査・治療を行うのが原則です。(治療が完了しても、パートナーが未治療であれば再度感染してしまうからです。)
性感染症はどのように感染するの?
性器性交だけではなくオーラルセックス・アナルセックスなどにより精液・膣分泌物・血液が粘膜に接触することで感染します。性行為の多様化により性器だけでなく口腔・咽頭への感染も広がっています。握手・回し飲み・コップなど食器の使い回し・タオルの共有・お風呂など日常生活で感染することはほとんどありません。
※膣トリコモナス症:衣類(タオル・下着)、便座、浴場などから感染することもあります。
※性器ヘルぺス:口唇ヘルペスから性器ヘルペスを発症することもあります。
性感染症の種類(症状・検査・治療)
クラミジア感染症
特徴 | ・性感染症の中で最も多く、10~20歳代の若年者に蔓延している。 ・子宮頸管炎の約90%が無症状。 ・治療せず放置すると上行性に感染し、骨盤内炎症性疾患(子宮・卵巣・卵管・骨盤腹膜などの感染)を発症する。また不妊・異所性妊娠の原因となる。 ・オーラルセックスによる咽頭(のど)感染例が増加している。 |
概要 | 病原体)クラミジア・トラコマチス (潜伏期間)1~3週間 (その他の感染経路)母子感染(産道感染) |
症状 | 水っぽいおりもの 排尿時の痛み、違和感、下腹部痛、不正出血、のどの痛み ※子宮頸管炎の約90%が無症状。 |
検査 | 子宮頸管・咽頭の擦過検体から抗原検査・PCR検査で検出。 ※淋菌との混合感染も多いので同時に検査を行うことが望ましい。 |
治療 | 抗生物質の内服による治療を行います。 ※3~4週間後に治療効果判定を行う。 (子宮頸管炎・咽頭炎の処方例) ・ジスロマック錠(250mg)1回4錠(単回)。 ・クラビット錠(500mg)1日1錠×7日間。 |
淋菌感染症
特徴 | ・20歳代の女性に多く、近年増加傾向にあります。 |
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概要 | (病原体)淋菌 |
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症状 | 黄色を帯びたおりもの |
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検査 |
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治療 | ※1~2週間後に治療効果判定を行う。 |
梅毒
特徴 | ・若年者を中心に急増している。とくに20歳代前半。 |
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概要 | (病原体)梅毒トレポネーマ |
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症状 | 性器、肛門、口唇、口腔内の硬いしこり ・感染後3週頃に感染した部位(外陰部・口唇・口腔内・肛門など)にしこりをつくり、血液やリンパ液を介して全身に感染する。 |
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検査 |
・過去に梅毒の治療歴がある方ではすでに治っていても、TPHAはいつまでも陽性で持続する場合が多い。 |
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治療 | 抗生物質の筋肉注射1回による治療を行います。 |
性器ヘルペス
特徴 | ・初発と再発に分類される。 |
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概要 | (病原体)単純ヘルペスウイルス(HSV)1型または2型 |
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症状 | 外陰部、膣の痛みを伴う水ぶくれや潰瘍 |
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検査 |
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治療 | 抗ウイルス薬の内服や軟膏による治療を行います。 |
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