一般的に排卵日付近に避妊せず性交をして妊娠する確率は約20%です。3か月で約50%、6か月で約70%、1年以内には約90%の人が妊娠に至ります。男女共に年齢が上がるにつれて妊娠する・させる力が低下し、女性では35歳を過ぎると妊娠率が大きく低下しますが、30歳代の人でも多くの場合1年以内に妊娠します。  そのため避妊せずに1年以内に妊娠に至らなければ医療の手を借りる方法をおすすめしています。

不妊症の原因

不妊の原因は男女どちらも考えられます。約半数は男性側にも原因があります。そのため、不妊症の検査や治療を受けるうえでは、お互いが協力して検査や治療に臨むことが大切です。

WHOによる不妊症原因調査(1996年)
http://hdl.handle.net/1854/LU-261528

女性不妊の原因

子宮、卵管、卵巣、などの妊娠に関わる器官が正常であることと、視床下部―脳下垂体、甲状腺などのホルモン分泌が正常で排卵が行われることが必要であり、これらに障害が起こると妊娠しにくくなります。  不妊にはさまざまな原因がありますが、加齢もそのひとつです。男女とも、加齢によって妊娠する力が低下することがわかっています。

女性1,000人あたりの出生数を20~24歳を100%として計算した。
HENRY L. Some data on natural fertility. Eugen Q. 1961;8:81-91. を元に作図

⚫︎排卵に関するトラブル

・排卵しづらい、または排卵が起こらない
 規則的な月経がある女性の場合、次の月経の約2週間前に「排卵」が起こります。しかし、無月経、多嚢胞性卵巣症候群、甲状腺の病気などが原因で、排卵しづらかったり、排卵が起こらない場合があります。

⚫︎受精に関するトラブル

・卵管がふさがっている
 卵子と精子が出会う通り道である卵管が、炎症などによってふさがっていると妊娠が起こりません。卵管の炎症の原因となるクラミジア感染症にかかったことがある方の場合、無症状のうちに卵管がふさがっていることがあります。また、子宮内膜症によって卵管周囲の癒着が起こり、卵子をピックアップすることができないこともあります。

⚫︎着床に関するトラブル

・受精卵がうまく着床できない状態
 子宮内膜が着床に適した状態になっていなかったり、子宮筋腫や子宮腺筋症などにより子宮内腔が変形していたり、過去の手術や炎症による癒着が子宮内にある場合などでは、受精卵がうまく着床できず、妊娠に至らないことがあります。


男性不妊の原因

精子の状態や、性交渉・射精までの過程などに原因があると考えられます。

⚫︎精子の状態に関するトラブル

精子をつくる機能に問題があり、精子がつくれない、精子の数が少ない、活発に動く精子が少ない、奇形の精子の数が多いといった状態である場合は、不妊の原因となります。

⚫︎精子の通り道に関するトラブル

精巣上体炎などの過去の炎症により、精子が通るための道が途中でふさがっていると、射精できても精子は排出されません。

⚫︎性交渉ができない

勃起障害(ED)、腟内射精障害など、性交を行っても射精できない場合があります。一般的にはストレスや妊娠への精神的なプレッシャーなどが原因と考えられますが、糖尿病などが原因であることもあります。

不妊治療の方法

以下のような治療があります。

一般不妊治療

タイミング法 排卵日を予測して、性交のタイミングを合わせる方法。多くのカップルがこの方法から治療を始めます。
薬物治療 排卵が起こらない女性に対し、お薬を使って卵胞の発育、排卵を促す方法です。
人工授精 元気な精子を人工的に子宮内に注入し、精子が卵子と出会う確率を高める方法。「人工」とありますが、自然妊娠と同様、体内で受精が起こります。
手術 子宮周囲の癒着や子宮内膜症、子宮筋腫や卵管閉塞といった不妊の原因を取り除くために手術を行うこともあります。

生殖補助療法

取り出した卵子と精子を体外で受精させ、後日子宮内に受精卵を戻す方法です。他の治療法によって妊娠が得られない難治性の不妊症が対象となります。

体外受精 卵巣から卵子を取り出し、精子を入れたシャーレの中で受精させ、子宮に戻す方法。ある程度の精子がある方が対象となります。
顕微授精 精子を1匹取り出し、卵子に直接注入する方法。精子の数が非常に少ない方が対象となります。

当院では一般不妊治療までを行なっています。

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