避妊のための知識

避妊をせずに性交渉した場合、ほとんどの方が妊娠します。さまざまな避妊方法がありますが、どのくらいの有効性があるのかを解説します。 各種避妊法の妊娠率を「パール指数（100人の女性が、ある避妊法を1年間用いた場合の妊娠数）」で比較します。妊娠率が低いほど、避妊法の有効性が高いという事になります。

1年間で100人中何人妊娠するか

避妊	人数
避妊しない	85人
腟外射精	85人
コンドーム	15人
低用量ピル	0.3人
ミレーナ	0.1人
避妊手術	0.01人以下

◆避妊しない場合（腟外射精を含む）

　全く避妊しなければ、1年間で85％が妊娠します。腟外射精は避妊しない場合と妊娠率は同等です。つまり膣外射精はまったく避妊としては意味がありません。

◆コンドーム

コンドームを最初から最後までしっかり装着している場合の妊娠率は2％といわれています。
 しかし実際にはコンドームが破損・脱落しまったケースでは避妊を行わないのと同等になってしまいます。また射精直前まで装着しない場合なども含め、一般的な使用でのコンドームの妊娠率は約15％にもなります。

尚、コンドームは性感染症の感染予防効果はある程度期待できるため、性行為の際、男女ともに必須アイテムといえます。

◆低用量ピル(OC・LEP)

　避妊目的のみに使用する低用量ピルは「OC」（経口避妊薬：自費診療）、月経困難症の治療として使用する低用量ピルは「LEP」（低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬：保険診療）といいます。
　どちらも飲み忘れなどがなければ、妊娠率は0.3％です。

◆子宮内避妊具(ミレーナ)

　子宮内に子宮避妊具を挿入すると、受精卵の着床が阻害され、最長5年間避妊効果を発揮します。IUSの妊娠率は0.1％と非常に低いですが、出産経験のない方の場合や、子宮の後屈などがひどい場合に挿入できないことがあります。

◆避妊手術

 　男性の場合はパイプカット、女性の場合は卵管結紮術などがあります。手術の場合の妊娠率は0.01%以下と言われていますが、手術後にふたたび自然妊娠できるように戻すことはできません。

　また女性の卵管結紮術はお腹を開いておこなう手術のため、帝王切開術や他の手術の際にお願いする形となり、最近はあまり行われません。

◆緊急避妊法

月経1周期中に１回しか意味がないため、本当に困った場合の緊急措置で、日常的には使えません。